今回は、24時間血糖値(グルコース値)測定をしているときに、おにぎりの食べ方を変えることで、
どのような変化があったのかをお伝えします。
前回は、「よく噛んで、ゆっくり食べること」の大切さについてお伝えしました。
今回は、24時間血糖値(グルコース値)測定をされたHさんの事例をご紹介します。
Hさんは50代の訪問看護師さん。
「あと5kgくらい体重を減らしたい」ということで、24時間血糖値(グルコース値)の測定を始めました。
訪問看護の仕事は忙しく、昼食をとる時間も十分に取れないことが多いため、
いつも早食いになってしまうとのことでした。
実際にグルコース値を見てみると、空腹時は100mg/dL前後で、
昼食後には180mg/dLほどまで上がることが多くありました。
そんなある日、勤務終了後の17時から勉強会がありました。
夕食まで時間があるため、小腹を満たそうと、押し麦のおにぎりを急いで食べました。
すると、
グルコース値が220mg/dLまで上昇!
普段の昼食後よりも高く上がったことに、Hさんはとても驚きました。
「同じようなおにぎりなのに、こんなに上がるんだ!」
と、ご自身のデータを見て初めて実感されたのです。
そして別の日。
休日にゴルフに行った際、小休憩で同じ押し麦のおにぎりを食べる機会がありました。
今度は、前回の経験を思い出して、一口ずつよく噛み、ゆっくり食べてみました。
すると、そのときのグルコース値は130mg/dLほどでした。
「こんなに違うんですね!」
Hさんは、食べ方によってグルコース値の上がり方が変わることを、ご自身のデータで実感されました。
もちろん、この日はゴルフの途中だったため、食前・食後に身体を動かしていたことも、
グルコース値の上昇が抑えられた要因の一つと考えられます。
ですから、「よく噛めば必ずグルコース値がこれだけ下がる」という単純な話ではありません。
大切なのは、Hさん自身が、
「自分の場合は、食べ方やそのときの活動量によって、グルコース値がこんなに変わるんだ」と気づいたことです。
その気づきが、その後の行動につながりました。
それからHさんは、食事をするときにできるだけゆっくり食べることを意識するようになりました。
すると、その後の測定でも、食後のグルコース値が急上昇することが少なくなっていきました。
さらに、14日間の測定が終わる頃には、
「夕方になるとおやつが欲しくなる」ということも減り、体重は3kg減少。
Hさんは、とても喜ばれていました。
これは、単に食べる量を減らしたからではありません。
自分のグルコース値を見たことで、食べ方への意識が変わった。
↓
意識が変わったことで、行動が変わった。
↓
その行動を続けたことで、身体にも変化が表れた。
私は、ここが24時間血糖値(グルコース値)測定の大きな意味だと思っています。
「甘いものをやめましょう」
「炭水化物を減らしましょう」
「ゆっくり食べましょう」
と言われるだけでは、なかなか行動を変えられないこともあります。
でも、自分自身のデータを見ると、「自分の場合はどうなのか?」が分かります。
そして、そのデータを見ながら専門家と一緒に振り返ることで、今まで気づかなかった自分の習慣に気づき、
無理なく行動を変えていくことができます。
「体重がなかなか減らない」
「夕方になるとおやつが欲しくなってしまう」
「食事を気をつけているのに、なかなか変化が出ない」
そんな方は、一度、ご自身の血糖値(グルコース値)の動きを見てみませんか?
「自分の身体の中で何が起きているのか」を知ることが、変化の第一歩になるかもしれません。
次回は「味覚と血糖値」について説明いたします。
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